オウンドメディアの運用を外部に委託する場合、月額費用の相場を把握しておくことが予算策定の出発点です。 この記事では、月額10万円〜100万円超の価格帯別にサービス内容を整理し、費用の内訳と選び方を解説します。
オウンドメディア運用代行の業務範囲
運用代行に含まれる業務は、大きく以下の6つに分類されます。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| コンテンツ制作 | 記事の企画・執筆・校正・画像作成 |
| SEO/GEO対策 | キーワード戦略、構造化データ、AI検索対策 |
| CMS運用 | 記事の入稿・公開・修正・更新 |
| 分析・レポート | アクセス解析、引用状況追跡、改善提案 |
| 編集管理 | コンテンツカレンダー管理、品質管理 |
| 技術保守 | サイトの表示速度改善、セキュリティ対応 |
すべての業務を含むフルサポートから、一部業務のみを委託する部分委託まで、契約の形態はさまざまです。
月額レンジ別のサービス内容
月額10〜20万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記事制作 | 月2〜4本 |
| SEO対策 | 基本的なキーワード調査 |
| CMS運用 | 入稿・公開のみ |
| レポート | 月1回の簡易レポート |
最小限の運用を維持するためのプランです。 戦略設計や改善提案は含まれないため、メディアの方向性は自社で決定する必要があります。
小規模なオウンドメディアの運用維持、または立ち上げ後の最低限の更新に適しています。
月額20〜40万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記事制作 | 月4〜8本 |
| SEO対策 | キーワード戦略の策定、既存記事のリライト |
| CMS運用 | 入稿・公開・修正 |
| レポート | 月次レポート(流入分析付き) |
| 編集管理 | コンテンツカレンダーの作成 |
記事の量産と基本的なSEO対策を組み合わせたプランです。 中規模のオウンドメディアで、定期的な更新とSEO施策を回したい場合に適しています。
月額40〜70万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記事制作 | 月8〜12本 |
| SEO/GEO対策 | キーワード戦略、構造化設計、AI検索対策 |
| CMS運用 | 入稿・公開・修正・既存記事の更新 |
| レポート | 月次レポート(改善提案付き) |
| 編集管理 | コンテンツカレンダー、品質管理 |
| その他 | ホワイトペーパーや事例記事の制作(月1〜2本) |
GEO対策(LLMO対策・AI検索対策とも呼ばれます)を含む構造化コンテンツの制作が含まれるプランです。 検索エンジンとAI検索の両方からの流入を狙う場合に適しています。
月額70〜100万円超
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記事制作 | 月12〜20本 |
| SEO/GEO対策 | 包括的な戦略設計と実行 |
| CMS運用 | 全般(技術的な改修含む) |
| レポート | 隔週〜週次レポート |
| 編集管理 | 編集長ポジションのアサイン |
| 技術保守 | 表示速度改善、セキュリティ対応 |
| その他 | 取材記事、SNS連携、メール配信 |
大規模メディアの運用を包括的に委託するプランです。 編集長クラスの人材がアサインされ、メディアの方針決定から実行までを一括で任せられます。
費用の内訳
月額費用の内訳は、一般的に以下の構成比になります。
| 項目 | 構成比の目安 |
|---|---|
| コンテンツ制作費 | 45〜55% |
| 戦略設計・ディレクション費 | 15〜25% |
| 分析・レポーティング費 | 10〜15% |
| CMS運用・技術保守費 | 10〜15% |
| プロジェクト管理費 | 5〜10% |
コンテンツ制作費が全体の約半分を占めます。 AI活用による制作効率化を行っている代行会社では、この比率が下がり、戦略設計やGEO対策に工数を配分するケースもあります。
初期費用の有無
月額費用とは別に、初期費用が発生するケースがあります。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| メディア戦略の策定 | 20〜50万円 |
| 競合分析・市場調査 | 10〜30万円 |
| コンテンツ設計(カテゴリ構成、記事テンプレート) | 10〜20万円 |
| 技術的な初期設定 | 5〜20万円 |
初期費用が月額に含まれる会社と、別途請求される会社があります。 見積もり比較の際は、初期費用を含めた6ヶ月間の総額で比較してください。
選び方のチェックリスト
オウンドメディア運用代行を選ぶ際は、以下を確認してください。
- 月額費用に含まれる業務範囲が明確か
- 記事の月間本数と品質基準が定義されているか
- SEO/GEO対策の知見があるか
- レポートの内容と頻度は十分か
- 担当者(ディレクター・ライター)の経験と体制
- CMS運用の対応範囲(入稿のみ/技術的な改修含む)
- 最低契約期間と解約条件
- コンテンツの著作権の帰属
- 修正対応の回数と範囲
内製と外注の使い分け
すべてを外注する必要はありません。 以下のように、業務の性質に応じて使い分ける方法もあります。
| 業務 | 内製が適しているケース | 外注が適しているケース |
|---|---|---|
| 戦略設計 | 自社の事業理解が深い場合 | マーケティングの専門知識が不足している場合 |
| コンテンツ制作 | 社内に専門知識のあるライターがいる場合 | 制作リソースが不足している場合 |
| SEO/GEO対策 | 専任担当者がいる場合 | 専門知識が不足している場合 |
| CMS運用 | 作業工数を確保できる場合 | 定型業務を社内から切り離したい場合 |
段階的に外注範囲を広げる、または内製化を進めるアプローチも有効です。
まとめ
オウンドメディア運用代行の費用は、月額10万円台から100万円超まで幅があります。 月額の大きさはサービス範囲の広さにほぼ比例し、コンテンツ制作費が全体の約半分を占めます。
費用の内訳を理解し、自社に必要な業務範囲を明確にしたうえで、複数社の見積もりを比較してください。 初期費用を含めた6ヶ月間の総額で判断することを推奨します。
参考文献
- Content Marketing Institute (2024). B2B Content Marketing Benchmarks, Budgets, and Trends
- HubSpot (2024). State of Marketing Report
- FirstPageSage (2024). SEO Pricing: How Much Does SEO Cost in 2024